食前に一杯

夕食前の一杯

なんとなく食欲がなかったり、胃がもたれていたりして食べ物をあまり受けつけない時というのはユウウツな気分になってしまいますよね。やはり、誰でも料理はおいしく食べたいものです。そんな不快な状態を緩和してくれるお茶もあります。お茶はもともとは「薬」として始まったものですから、そのような効果にも頷けますね。

今から約2000年前に書かれた『神農本草経』という本によると「神農が野山を駆け巡り、身近な野草や樹木の試食をして、1日に72回にものぼる毒にあたり、お茶の葉を用いて解毒をした』とう説があります。当時は、お茶の生葉はかみ食べる薬として利用されていたようです。今でも中国にはお茶の研究所があり、お茶から抽出した成分を基にした薬も多く製造されています。さらに、茶葉だけではなく、他の漢方薬などと混ぜた薬茶も豊富にそろっているほどです。

日本でも、中国に留学した栄西がお茶の栽培を普及させ、お茶を長寿の薬として勧める「喫茶養生記」を著したのは有名です。その中で『お茶は養生の仙薬なり』と、お茶を飲んでいると心臓が丈夫になり、二日酔いに効き、また、病気にもかからないことを記しています。

食欲を促すお茶としては、中国茶の中では「黒茶」が代表的です。中国茶6大分類の一つで、代表的なものとしては「プーアル茶」があります。麹菌を加え後発酵させたお茶で、胃のむかつきを抑えたり、消化を助けるといった効能があるといわれています。黒茶は円形や方形に硬く固められた状態で販売されていることが多く、それを砕いたものに湯を注いで作ります。ちなみにこの黒茶、古い年代のものは高値で取引され、なかには数十万円もするものもあるのだとか。

ヨーロッパで医学として始まったハーブティの中にも、食欲を増進させるお茶はもちろんあります。たとえば「セージ」や「タイム」は、胃の働きを助け、消化を促進させる働きがあるので、食事の前に飲むお茶としては最適です。また、『寝起きの一杯』で紹介した「ペパーミント」も、胃の筋肉をリラックスさせることで、消化不良を改善させてくれるハーブティです。

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